『のらすぴっ!』

第4話―セリアの家出―

ファーレーン:~♪←毛糸玉を転がしている
ニム :―!っ!
悠人 :(お?ニムが何かやっているところを見るのは初めてだ)
ニム :――― っ!
悠人 :(それにしても、犬というよりは猫だな………あ、遠くに転がしすぎた)
ニム :………プイッ―ゴロゴロ←あきらめてファーレーンの膝の上で寝転がる
悠人 :早っ!
ファーレーン:わふ?
悠人 :い、いや、別に何でもない―――トントン、ガチャ
エスペリア:ユート様。お風呂が沸きましたよ
悠人 :ありがとう。すぐに入るよ。
エスペリア:はい。よろしければお背中流しましょうか?
悠人 :いや、いや、いいって。じゃ――ソソクサ
ファーレーン:わふ
ニム :ふんっ
 ………
 ……     にゃ~
 …
悠人 :ん?今猫の泣き声が聞こえたような…ま、どうでもいいか。それより風呂風呂
 ざばぁ~~
悠人 :んっはあぁぁ~。ここの風呂は広いから気持ちいいな。一人で入るには勿体無いくらいだ
 トテトテトテトテトテ
 ? :うぅ~!←懸命に引き戸を開けようとしている
 ? :くぅ~ん←手伝ってあげている
悠人 :ちょっと、今俺が入っているんだが…
 ガラッ
ネリー:わふ~~っ!
悠人 :のわぁ!ネリー!顔に張り付くな!
シアー:きゅーん?
悠人 :分かった、一緒に入っていいから、兎に角どいて
 ……
 …

悠人 :…で、どうしてこうなるんだ?
ヒミカ:わんわん!
ハリオン :わう~~~?
ヘリオン :わ、わくぅ~ん
ネリー:わ、わぶっ!わんっ!
悠人 :こらっ、頭洗っている最中に暴れるな!
ヘリオン :わ、きゃうぅん!?
ハリオン :わ~ふ~♪
悠人 :ヘリオンはハリオンの胸を揉んでるんじゃない!ハリオンもちょっとは気にしろよ!
ヒミカ:う~~~
悠人 :…ヒミカは何か悔しいのか?
ヒミカ:わんっ?!わんわん!
悠人 :あ~、はいはい。すいませ…はぅぅっ!?
シアー:わぅ?―ニギニギ、ツンツン
悠人 :く、シアーは変なものに興味を持つんじゃありません!
ナナルゥ :…わんわん
シアー:…くぅ~ん〃
悠人 :ナナルゥも解説するんじゃない!
時深 :野良スピでハーレムを作るなんて、流石ですね、悠人さん
悠人 :何で時深までいるんだよ!?
 トテトテトテ―ガラッ
セリア:………
悠人 :お
セリア:………←侮蔑の眼差し
 ピシャッ!―トテトテトテ
悠人 :あっ、セリア~!?
時深 :…洒落ですか?
悠人 :いいから、時深は少し黙っててくれ…


『のらすぴっ!』第4話―セリアの家出―

悠人 :は?セリアがいない?
ヒミカ:わん!
悠人 :散歩…って時間でもないよな。誰か何か知らないか?
ファーレーン:わふぅ
悠人 :外に行ったって?こんな時間に?
ネリー:わふっふ!?
シアー:きゃうぅ~ん!
悠人 :家出?あぁ、セリアは俺のこと嫌いみたいだったからなぁ。今日もみっともないとこ見られたし…
ヘリオン :わふ!わふ!
悠人 :追いかけろって?別に俺は、俺のことが嫌いなら無理して此処に居ろなんて言うつもりはないよ…
一同 :わふぅ~~~(このヘタレ)
時深 :このヘタレ
悠人 :お前は黙れ。それに、まだ家出と決まったわけじゃないんだ。明日になっても戻らなかったら探しにいこう。
一同 :うぅ~
悠人 :大丈夫だって。セリアはしっかりものだから一晩くらいでどうにかなったりしないって。それより、ラジオつけてくれる?
ヒミカ:わんっ!―プツッ
悠人 :ヨーティアもたいした奴だよな。エーテル技術無しで、もうこんなものまで作れるんだから

ラジオ:みなさんこんばんは。ガロ・リキュア国営放送が7時をお知らせします
 今夜、これからの天気は、王都方面で雨となり…
時深 :雨ですか…こんな時は外には居たくないですよね
悠人 :………
ラジオ:――近年になって増加し始め、問題が懸念されていた野良スピリットですが、ついに
 本日昼過ぎ、デオドガン百貨店内で不信な男にいたずら目的で連れまわされるという事件に発展しました。
 幸いにも針金頭の女性の活躍により事なきを得ましたが、犯人はいまだに逃走中で、近隣住民は不安を隠しきれません。
時深 :まぁ。そんな変態がうろついているなんて、怖いですね

悠人 :………
ラジオ:――以前よりリクディウス山脈付近で存在が噂されていた幼龍ですが、王都付近で見かけたとの情報が寄せられています。
 この情報を受け、明日にも調査隊が派遣されることになりましたが、それまではむやみに郊外に出ないよう…
時深 :まぁ…
悠人 :あぁ、もぉ!いい、言わなくていい
ヒミカ:わん!
悠人 :あぁ、これからちょっと行ってくるよ
一同 :わふ!
悠人 :駄目だ!ニュースを聞いていただろ?危ない奴とか龍とかがいるかもしれないんだ。みんなはここで待っていてくれ
一同 :ふぅ~
悠人 :むくれても駄目。時深、この娘達をよろしく頼む
時深 :なんだか娘を嫁に出す父親のようなセリフですね
悠人 :………
時深 :はいはい。行ってらっしゃいませ
悠人 :…あぁ!

ラジオ:―――で、本日はお別れです。司会は私、忘れないでね、みんなの白スピ、イオ・ホワイトスピリットと
アセリア :………ん
イオ :アセリアでお送りいたしました。それではまた…いつになるんでしょうか?


セリア:…←野良スピを集めてハーレムを作るような変態の下から逃げてきたはいいが、これからどうしようか悩んでいる
 ポツ…ポツ…ポツ
セリア:―!トテトテトテ←雨が降りはじめたので慌てて軒下に移動する
 ザー
セリア:ふぅ…わふぅ←軽率すぎたかなぁ、もう帰りたいなぁ、思い返せばユートにもいいところはあったし…とか思っている
セリア:ブンブンブン―わふ!←いやいや、あいつは変態なんだ。思い通りになってはいけない。とか考え直した
セリア:わふ~?←今度は、どうしてユートが他の皆と仲良くしているのがそんなに気に入らなかったのか、悩み始めた
セリア:う゛~~~ゲシゲシ←なんだかむかついたのでその辺の柱に八つ当たりし始める
光陰 :おや、お嬢さん。俺に何か用事かな?
セリア:わふっ!?―ビクッ
光陰 :いや、言わなくても分かるよ。俺の足にすがりついたりして、行くところがないんだね。何、心配は要らない!
セリア:うぅ、わぅ~わんっ!―ダダダダダダダ
光陰 :俺が今日から法悦境の日々を君に…あ!ちょっと、待てって!―ズダダダダ
セリア:わふぅー!!
今日子:何やってんの!!―ズバーン!!
光陰 :ふごぉっ!?
今日子:あんた、今日それで警察沙汰になったのもう忘れたの!?
光陰 :いや、待て今日子!俺はただ行く当てのない子犬ちゃんを保護してやろうかという仏心で…
今日子:問答無用!―ズバーン
光陰 :ふごっ!
 ……
 …
悠人 :…ん?雷まで鳴り始めたのか。こりゃ急いで探さないとな。おーい、セリアー!
セリア:!…わんわん!…わふ!?―ダダダダダ←変態に追われていたので、助かったと思い声を上げたが、自分が何をしていたのか思い出した。
悠人 :向こうの方か!セリア、今行くぞー!
セリア:わふぅ~~~!(来るな~!)
悠人 :セリア!って、おい!なんで逃げるんだ~!?
セリア:わふぅ~!

 バシャバシャバシャ
悠人 :―ッセリア!!街の外には出るなっ!
セリア:わふ?――わっ!?
 龍 :グアァァァ!!
悠人 :セリアッ!―ガブッ―ぐあっ!
セリア:わふ!?
 龍 :グルルル
悠人 :くそっ、離せっ!-ドカッ
 龍 :グウッ
セリア:わふ?わふ!?
悠人 :大丈夫、ちょっと腕噛まれただけだ
 龍 :グワウッ!
悠人 :うわっ!(くそっ、いくら小型とはいえ龍を片手で、しかもセリアを庇いながらじゃ戦えない)
 龍 :ガアアア!
悠人 :おっと!(ちっ、ちょっとでも隙がつくれればいいんだが)
セリア:わう!わう!
悠人 :馬鹿!そんなことができるか!
 龍 :グアゥッ!
悠人 :クッ!俺は、守るために戦うって決めたんだ!そのために、もう何かを犠牲にしたりはしない!
セリア:!!
 龍 :ガアァァ!
悠人 :ちっ!―ドン―やばっ!?後ろはもう壁か…!
 龍 :グルルルル
悠人 :これはまずいな…くっ何かないか!?
 タタタタタタタタタタ
 ? :わうわうわうわうわう―がうっ!
 龍 :ガアアアア!!
悠人 :ヘリオン!?
セリア:―わうっ!
悠人 :あぁそうだな、今がチャンス!―マナをオーラフォトンの力に変えてぇ!
 龍 :ガァッ!―ブンッ
ヘリオン :キャウン!

悠人 :ヘリオン!!―くそっ、喰らえ、オーラフォトンビーィィィム!
 龍 :ガァァァ!!―バサッバサッ
悠人 :ふうっ…
聖賢 :止めを刺さなくてよかったのか?
悠人 :あぁ、あいつもまだ子供みたいだし、これだけ痛い目を見ればもう街に降りようとはしないだろ。それに、殺し合いはもうたくさんだ。
セリア:わんわん!
悠人 :っと、ヘリオン!大丈夫か!?
ヘリオン :きゅぅぅぅ
悠人 :よかった。気絶しているだけだ
セリア:くぅ~ん
悠人 :俺?俺も大丈夫だよ
セリア:くぅーん―ペロペロペロ←まだ血が出ている悠人の腕を舐める
悠人 :なんだ、心配してくれるのか?セリアは優しいな
セリア:―――〃ガブッ
悠人 :いだだだだ!照れたからって、噛むなよ…
セリア:わふぅ―ペロペロ―くぅ~ん
悠人 :なに、気にしてないよ。それより、やっとセリアにも認めてもらえたんだから、この傷くらいなら安いものさ。
 じゃぁ帰ろう。みんな心配してる。

セリア:わん、わふわふ
悠人 :別に認めたわけじゃないって?厳しいなセリアは。
ヘリオン :ピクッ
悠人 :ん?ヘリオン、気が付いたのか?
ヘリオン :………←本当は気が付いていたが、合法的に悠人に抱き上げてもらえるので、気絶したふりをしている。
悠人 :まだか…まったく、おとなしく待ってろって言ったのに、こんな危ないことして…
セリア:わふ?
悠人 :怒ってはいないよ。今日は結局ヘリオンに助けられたしな―さて、詰所が見えてきたぞ

セリア:ボソボソボソ
悠人 :セリア?何か言ったのか?←身体を屈めてセリアの目線に合わせる
セリア:―――――チュッ
悠人 :うわっ
セリア:―――――〃 タタタタタタタ
悠人 :…あいつも可愛いところあるじゃないか
ヘリオン :…←今更おきだせなくなってしまった
一同 :わふー!
時深 :悠人さーん
悠人 :みんな、別に玄関で待っていなくてもよかったのに…いい奴ばっかりだな
セリア:わふ!
ヘリオン :………←何か納得のいかないものを感じている

時深 :ときに悠人さん、セリアとキスしてましたね?
悠人 :ぐ、見てたのか
時深 :それはもう、しっかりと。いーな、いーなぁ。羨ましいなぁ
悠人 :やめんか!子供か、あんたは
時深 :うん!ときみ、こどもなの!
悠人 :……………ふっ
時深 :タイムアクセラレイト!!
悠人 :うぎゃー! 
    __
  「,'´r==ミ、
  くi イノノハ)))
   | l|| ゚ヮ゚ノl|  <タイムシフト
   j /ヽ y_7っ=
  (7i__ノ卯!
    く/_|_リ

状態
ヘリオン△なんだか納得できない
ナナルゥ☆セリアのこと、ありがとう
シアー◎そうなんだ、ユート様のお股のあれってそうなんだ…
ネリー△結局今回もあんまり遊んでくれなかった
ヒミカ○これでヘタレたところを何とかするといいんだけど
ハリオン◎お風呂場でのユート様、素敵でした~
ファーレーン◎一緒にお風呂入ってもよかったのに…
ニム×最近お姉ちゃんがユートばかり見ているのが気に入らない
セリア?抑えても抑えきれないゆれるこの想いは何だろう?