城下町での買い物帰り、城門まで門をひとつ曲がるだけというところでヘリオンは、見慣れぬ女性が 
細い路地を背にして佇んでいるのに気が付いた。 
 なんだか見たこと無い変な服。ほとんど白くて、紅い縁取りとスカート?でも……キレイな人。なんだ 
かユート様に似ているような気がする。 
 その女性を気に掛けながら、ヘリオンは急ぎ足で過ぎ去ろうとした。早く帰らないとネリーがうるさい。 
ヨフアル、ヨフアル、ヨフアルの三連呼だ。 
「あなたが」 
 えっ? 
 女性の前を一歩分だけ過ぎたところで声が掛かった。 
「あなたが、ヘリオンですね」 
 振り向くと、その女性はにこやかな顔で問いかけてきた。 
「あ、あの私ですか?」 
 誰?私の名前を知っている?そんな人、詰め所と、女王陛下以外で存在するだろうか。不思議に思う。 
「そう、あなた。失望のヘリオン。」 
 笑みを浮かべたまま、ヘリオンを無視するように言葉をつないでいく。 
「あなた、人気ですね。でももうそれも終わり。正ヒロインとの統合が図られたからには、終わりなんで 
す。あなたは、調子に乗りすぎました」 
「えっえっ、あ、あのなにを」 
     __ 
  「,'´r==ミ、 
  くi イノノハ))) 
   | l|| ゚ヮ゚ノl|  <タイムシフト 
   j /ヽ y_7っ= 
  (7i__ノ卯! 
    く/_|_リ 
 城下町での買い物帰り、城門まで門をひとつ曲がるだけ。早く帰らないとネリーがうるさい。ヨフアル、 
ヨフアル、ヨフアルの三連呼だ。細い路地の前を通り過ぎる。 
 あれ?ここに誰かいたような気が……一瞬疑問が浮かぶ。でもその疑問は泡と消え、ユートと一緒に 
ヨフアルを食べることに思いは移っていった。