ツンデレラー ニム

第二詰所、ファーレーンの部屋の中程。溶け合うようにひとつとなった二人の人影が立っていた。片方がもう一方に覆いかぶさるような体勢だ。
バンッ!
突然、扉が開いたかと思うと、
ザシュッ!
高速で飛来する物体。と、覆いかかられていた側の影が相手を引きつけ、そのままもつれるように二人で倒れ込む。飛行物体は引っ張られた影がそれまであった空間を通り抜けて床に突き刺さった。
突然引き倒されて混乱していた悠人は床に刺さっている矛型の神剣を見て己が命を救われたことを悟り、扉へ目を向けた。
「お、おまえは…ツンデレラー ニム!」
「お姉ちゃんに不埒な行いをするやつは、たとえお姉ちゃんが許しても、このニムが許さないんだから! 曙光を浴びて灰になりなさい!」
びしっ、と何やらポーズを決めるニムントール。
「…って、何やらすのよ! てゆーか、ニムってゆーなーっ!!」
我に返って叫びながら部屋に駆け入って悠人を叩く。ポカポカポカポカポカ…
「お姉ちゃんもお姉ちゃんよ! どうして、どうしてこんなやつ…」
今度はファーレーンを叩く。ドスドスドスドスドス…
「ニム? 何を言っているのですか?」
「何って、何って、今、二人で抱き合って…」
「新しい剣の型を考えるのに付き合って頂いていただけですよ?」
「へ?」
しばし場が凍りつく。やがてニムントールの頬が上気していく。
「まぎらわしいっ!!」
いつの間にか床から引き抜いた『曙光』の柄で悠人の頭を打ち据えると、ニムントールは部屋から駆け出して行った。
「…やれやれ。ユート様にはもう一仕事して頂きませんとね」
そう独り呟くと落ち着き払って悠人の介抱を始めるファーレーンであった。

中庭の木の根元に(ry

悠人が中庭を訪れると(ry

しばらくしてニムントールが目を覚ますとそこは自分の部屋だった。
(ry
「…はぁ、起きるの面倒」
そう呟くが、その顔には(ry