リレルラエルを出発した悠人一行の前に突然、閃光とともに瞬と佳織が出現した。
「なっ...瞬!貴様ッ!」
「アハハ、あんまりお前たちが遅いんでこっちから来てやったよ、悠人。
フン、取り巻きも一緒か。まとめて殺してやる、オーラフォトンブレイクッ!!」
「うわ、なんだコイツ、いきなり技の名前を絶叫しやがった。恥ずかしいな、おい。」光陰が言った。
「それは言い過ぎだぞ、光陰。」ダメージをくらった事も忘れ、悠人が血相を変えて光陰に詰め寄る。
「そうよ、光陰、秋月に謝んなさいよ!」今日子も身に覚えがあるらしい。
「何だよ、今日子まで。ん、まあ、でも言い過ぎたよ。俺もたまには『プロテクション!』とかって
言ってる気がする。悪かったな、秋月。」
「き...貴様ら、もう許さんッ!」瞬が斬りかかろうとしたその時、佳織が両手を広げて間に割ってはいる。
「やめて下さいっ、秋月先輩!」
コソコソと佳織の背中に隠れながら悠人が言った。
「佳織、やっぱお前っていいやつだな。住職なんて言って正直スマンかった。」
佳織の表情が一変する。「秋月先輩、かまわないからぐっさりと殺っちゃって下さい、この人。」
ぐいぐいと悠人を押し出す。「うわわ、シャレになってないぞ、佳織!」
「よってたかって僕を馬鹿にしやがって...」怒りに震える瞬。
「でもなあ、佳織、瞬じゃダメなのか?」
「何言いだすのよ、お兄ちゃん。」
「だってアイツん家、金持ちだぞ?俺より勉強だって出来るし、
ルックスは...まあ、俺ほどじゃないにしても、かなりイケてるし。」
「最後の一つはともかく...私、自分のこと『僕』って言う人は苦手だよ、お兄ちゃん。」
佳織の言葉にオーラフォトンノヴァ10回分のダメージを受けた瞬が倒れる。
「――佳織、お前、結構キツいな。俺の影響かなあ。」悠人が肩を落とした。