ファーレーンの日記帳

コサトの月赤よっつの日
今日は少し気分を変えて別の色の物を着けてみました。
けれどもユートさまったらそれを見たにもかかわらずに普段どおりにお話されるだけ。
昨日も見ていたはずなのに違いに気付いていないようです。

コサトの月緑ひとつの日
今日もユートさまはお気づきになりませんでした。この所毎日会っているというのに。
とは言っても、こちらから見て欲しいと言えるものでも無いし……はぁ。
同じような暗めの色ではインパクトが薄いのでしょうか、ニムはすぐに気付いてくれたのに。

コサトの月緑いつつの日
ダメ、やっぱり紺や藍では全然違いに気がついてもらえません。
普段は黒いものしか着けないからなのでしょう。白とか、明るい色のもの……
もっと言えば、花柄なんかにしてしまったらすぐに気付いてもらえるかもしれません。

コサトの月黒ひとつの日
悩みに悩んで、目の前には花柄の布切れ。手にとるたびに手が震えてしまいます。
隣に並べた、愛用している黒いものとの対比がわたしの心を責めたてます。
あまりにも、イメージに合いません。いくら違いに気付かれたとしてもこれじゃあ恥ずかしすぎます。
明日もきっと衣服入れの中でこの花柄は眠っている事になるでしょう。

コサトの月黒ふたつの日
こんな気持ちになるなら気まぐれなんか起こさなければ良かったのでしょうか。
他のみんなに対する態度からして、ユートさまがこういう事に鈍いなんてわかりきっていたはずなのに。
いっそ、着けないで会ってみたら……だ、ダメダメダメ、絶対ダメッ!見せないために着けているのに、
そんな事をしたら、まともに顔もあわせられないじゃない。……ふぅ。


どうしたら気付いてもらえるでしょうか……私の、新しい覆面。