私の名前はナナルゥ・・・趣味は隠密行動というヴェールに包まれたただの人間観察&秘密探し。 
でも、今回は皇女様からのじきじきの命令。 
「たゆんたゆんの秘密を探ってきて欲しいのです」と、言われたときはびっくりした。 
そんなわけで、今日はハリオンの部屋の上にお邪魔してる・・・。実は私も知りたい。 
ラキオスのレッドスピリットでは一番大きい私だけど・・・あの二人に勝っても、あまり・・・ 
ハリオンレベルとまではいかなくても、エスペリアさんには勝ちたい。・・・ユート様の世界には「大は小をかねる」って言葉があるらしいから。 
早速、いつものように天井に開けた穴からハリオンの部屋をのぞいてみよう。 
ハリオン「ふんふんふ~ん♪」 
部屋はとてもきれいに整頓されている。その中で鼻歌を歌いながらハリオンはとても上機嫌そうに見える。 
恐らく・・・この後、たゆんの秘密がわかるはずだ・・・ 
ハリオンは一旦外に出ると、4分ぐらいして帰ってきた。右手にお茶を2つ、左手に茶色い何かを2個持っている。 
それより、両手ふさがってるのにどうやって扉を開けたんだろう・・・謎だ。 
ハリオン「今日もいい具合に焼けました~」 
あれは・・・カップケーキ!?そうか!奴の胸の秘密はあのカップケーキ!! 
今日も、ってことは毎日あれを服用することにより、胸が大きくなるんだ! 
しかも2個ずつ持ってるって事は、一人で2セットも食べるのか・・・ 
ハリオン「ところでぇ・・・」 
彼女はケーキとお茶をテーブルに置くと、動きが止まった。 
ハリオン「一緒にお茶しませんか~?」 
 ! ! ! ! ! 
目が合った!目が合った! 
こちらの存在に気がついていた!?そんなこと・・・ありえない! 
気配は完全に消していたのに・・・ 
私は急いで天井裏を走り、自分の部屋に戻った・・・。 
ナナルゥ「ハァ・・・ハァ・・・怖かった。」 
すとっ、と自分の部屋に降り立つと、呼吸を整えようと、空気を吸った。 
・・・・? 
何?このいい香り・・・? 
まさか・・・と思い、恐る恐る振り向くとカップケーキとお茶が1セット、テーブルに・・・ 
『お茶と一緒にご馳走するんだから、みんなには内緒ですよ? ハリオン』 
書置きまで・・・ 
一口食べてみる。おいしいけど・・・何故か冷や汗が止まらなかった・・・ 
次の日 
ナナルゥ「皇女様・・・たゆんの秘密はカップケーキです」 
レスティーナ「カップケーキ?それは本当ですか?」 
ナナルゥ「はい・・・」 
レスティーナ「にわかには信じられません・・・継続した調査をお願いできませんか?」 
ナナルゥ「それだけは勘弁していただけませんでしょうか・・・」 
もう、二度とあの部屋には侵入しないだろう。それだけは心に決めた。 
レスティーナ「そうですか・・・ありがとうナナルゥ。」 
1ヵ月後 
悠人「よぉ、レムリア、久しぶり」 
レムリア「ユートく~ん、久しぶり!」 
悠人「こんなこというのはなんだけど・・・ちょっと太った?」