ハリオン「ええっと~、それでは、新作にでも挑戦しますか~」
悠人 「ん? 何かいい匂いが……」
ハリオン「あらぁ、ユートさまちょうどいいところに~。
いま焼きあがった所なんですぅ、良かったらご一緒にいかがですか~?
これが、私の研究成果ですよ~」
悠人 「へぇ、やっぱりハリオンはこういうのが得意なんだなぁ。
きれいに出来上がってるじゃないか、このカップケーキ」
ハリオン「ふふ、ありがとうございます~見た目で気付かれては第一段階から失敗ですからね~」
悠人 「え?」
ハリオン「いえいえ、何でもありませんよ? さ、召し上がれ~」
悠人 「ああ、それじゃいただきます、と……
(ふむ、甘味が控えめで食べやすいなぁ、少しは糖分の取りすぎが気になってたりするのかな。
あ、プレーンじゃなくって色々混ぜ込んである。ニンジンっぽかったりオレンジっぽかったり)」
ハリオン「お茶もありますよ?」
悠人 「うん、ん、ごくっ……うまいっ」
ハリオン「あらあら、本当ですか~?」
悠人 「ああ、ただ甘いだけじゃなくって、果物の甘さだったり、アクセントに微妙な苦味があったりして。
ひょっとしたら、ケーキ屋に出せるくらいかもしれないな」
ハリオン「そんなぁ、褒めすぎですぅ」
悠人 「いや、ホントに。中でもこの生地の中に見えてるこれ、野菜だと思うんだけど、これがいい味を出してる」
ハリオン「まあまあ、それじゃ、研究大成功ですね~」
悠人 「へ?」
ハリオン「ふふふふふ~。そ・れ・は、実はリクェムを混ぜ込んでみました~」
悠人 「え、ええええええ!?」
ハリオン「しっかりと食べられるじゃありませんかユートさま~。
研究テーマは、『ユートさまの好き嫌いなくしちゃおう大作戦』なのでした~」
悠人 「……ホントだ、食えた」
ハリオン「それじゃ、まだまだありますからみんなも呼んでおやつにしましょうか~」
悠人 「そう、だな。うん、俺がみんなの所を回って呼んでくる。ハリオンはお茶を用意しといてくれ」
ハリオン「はぁ~い」
ハリオン:テーマ「ユートさまの好き嫌いなくしちゃおう大作戦」
提出物「リクェム入りベジタブルカップケーキ」
悠人の評:気付かずに食べておいしかった。お茶会でもおかわりするくらいおいしかった。
ひょっとして、本当にピーマンが食えるようになったかもしれない。ハリオンに感謝。