エスペリアの憂鬱Ⅱ

ユートの初陣 in 聖ヨト歴330年ホーコの月

戦闘前:「ユートさまもわたくし達も、この世界では“人”ではありません。その意味をお考え下さい」
戦闘中:「ユートさまは人です。私たちは人を護ります。ユートさまのために私が消えることなど……」

「ちょっと待てエスペリア、一体俺はどっちなんだ」
「…………たいした問題ではありません」
平然と言い放つエスペリア。だがそれは、俺にとっては我慢の出来ない言葉だった。
「俺が人か人でないかが問題じゃないだって?!」
言いようのない怒りと悲しみが沸き上がってくる。
そんなことを簡単に口にする、エスペリアが信じられなかった。
「……生きて、喋り続けなきゃ…………!」
言いたい事がどんどん奥のほうから沸きあがってくる。
「だから……勝手に、勝手に消えようとなんかするなよっ!矛盾を残していかないでくれ!!」
「そんなことされて、残された俺はどうすればいいんだよ!」
「もう俺の前で……解説を間違えてほしくない!勝手に噛んだりしないでくれ!頼むからっ!」
……情けなかった。俺のことを守ってくれたエスペリアに向かって勝手な感情をぶつけている自分が。
「私たちは人間ではありません。スピリットなのですから」
「なんだよそれ!そんなことどうだっていいだろ!?俺がどっちなのかが大事なんだよ!!」

BGM:Lost Days