七草

光陰「今日は新年があけて7日目だ。 ということで‥‥」
悠人「ハイペリアの料理の七草粥というものを再現してみたんだ」
今日子「何度もこんなことやってるからいい加減市場かけずり回って似たもの捜すのにもなれちゃったわ」
エトランジェの3人組が今日の夕食を担当したいというので任せてみると
故郷の料理を再現していたようである

今日子「お正月の料理で疲れた胃腸を薬草入りのお粥でリフレッシュして健康でいましょうって行事なのよ」
光陰「それは違うぞ今日子。 本来は中国の人日の節句に由来する由緒正しい年中行事で
  『神様と御先祖様に捧げた七種の草の汁をいただくと病気にならず、気力も充実して長生き出来る』と
  そういう内容の行事だったのが今ではすっかりなくなって医学的に七草がどうとか嘆かわしいことしきりだ」
悠人「‥‥光陰、おまえそういう比較的どうでもいいことは昔からものすごくよく知ってるんだよな、何故か」
光陰「ふ、祖霊を慰める仏門の徒なら当然のことだよ悠人君」
と、悠人の発言の意図に気付かないのか意図的にスルーしたのかひとり自慢げな光陰

今日子「光陰の蘊蓄はおいといて‥‥どうかしら?」
テーブルを見回すと今日子たちの近くでは
セリア「ユートさまが作ったにしてはまともな方なんじゃないですか」
ニム「熱ッ‥‥何で冷ましておかないのよユート」
クォーリン「美味しいです、コーインさま」
ウルカ「さっぱりとしていて普段とは異なる趣‥‥」
なかなか好評のようである

テーブルの奥の方に目をやると
ネリー「マッヨネッエズー」
シアー「マッヨネッエズー」
オルファ「マッヨネッエズあじのぉ~ お・か・ゆ~」
とかはしゃいでいて
エスペリア「三人とも食べ物を粗末にしてはいけません」
たしなめられていたりする
マヨネーズ作って見せたのは失敗だったかなー

お代わりを頼まれて鍋の所に戻ると鍋を抱え込むようにしてお粥を食べている人影が一つ‥‥
今日子「アセリア‥‥お粥、おいしい?」
今日子の声が聞こえているのかいないのか、黙々とお粥を食べ続けるアセリアが
お皿が空になったタイミングでつぶやいた


「かゆ‥‥
 ‥‥うま」