アセリア、その想い

まだ私が「存在」を握っていた頃のことを、今でも時々思い出す。もう遥か昔のことになってしまったけれど。

それはまるで何かに引き寄せられたかのような出会いだった。
今思えば、何故私がユートを見つけたのか。私は何故助けようと思ったのか。何もかもが不思議。
ただ、何となく彼のことを放っておけなかった。それだけだったのに。

バーンライトの城で、無茶をしてユートに諭されたことがあった。
今でもはっきりと思い出せる。あの時のユートの手、とても温かかった。
私の中でユートが特別な存在になったのは、あの時からかな。

ユートと一緒にハイペリアに飛ばされたこともあった。
私が体調を崩してしまったけど、ユートはそばにいて看病してくれた。ユートとずっと一緒にいたいと思ったのはこの時だと思う。
そういえば、あの小鳥とかいう女の子。もう今は生きていないだろうけど、彼女には幸せになって欲しい。

ハイペリアから戻ってしばらくの間、私の意識は剣に呑まれていた。あの頃のことは良く覚えていない。
「求め」が私の心に触れてきて、本当に大切なものを思い出させてくれた。「求め」にはいくら感謝しても足りない。
ユートにこの話をすると、彼は決まって遠い目をする。そして、「求め」との思い出話をしてくれる。
私は、その思い出話の時間が大好き。だって、その時に、ユートは一番優しい目をしてるから。

……ユートと初めて結ばれたのは、その日の夜。「ユートのこと、愛してる」と分かった瞬間から、もう止まらなくなってた。
初めてにしてはずいぶん大胆なことをしたと思うけど……トキミさんに話した時の真っ赤な顔が、とてもおかしかった。

トキミさんが現れ、始まったエターナル同士の戦い。あの時は正直、ユートと一緒にエターナルになるかどうか、少し悩んだ。
みんなに忘れられてしまうのは、やっぱり寂しかったから。でも。
 「私の生きる意味は、ユートと共にある。私の幸せは、ユートと共にしかありえない。」
そう気づいたら、もう迷いはなかった。「永遠」を手に取り、ユートと一緒に、無限の時間に身を投じた。

そして今。私は永劫の戦いの中で、剣を振るい続ける。
ユートの限りない優しさに包まれながら。ユートのため、私のため、そして……おなかの中の、この子のために。