ハリ&ヘリオン劇場 プロローグ

アセリアとセリアは似ている。二人は幼馴染で、昔からの大親友。
シアーとネリーは似ている。二人は双子だから。

こうしてみると、「似たような名前のスピリット同士は似ている」ということが成り立つ・・・と思う。
それじゃあ・・・いったい・・・

「ふんふんふ~ん♪あらあら、塩が見当たらないです~。仕方ないからこのよくわからないもので代用~♪」

あそこで鼻歌交じりに踊りながら料理を作るハリオンと私はどこが似ているんだろうか?
ヘリオンは考えてみることにした。『最終兵器お姉さん』ことハリオンさんと、私ヘリオン。
いったいどこに共通点があるのだろうか・・・?

その1:体格
ア&セリアにしてもネリシアにしても、この二組は体格がほぼ一緒である。
ならば私とハリオンさんはどうだろうか?
・・・(つД`)考えるだけで鬱になってきた。
うぅぅ・・・ハリオンさんは大陸屈指のプロポーション。これみよがしにたゆんたゆんさせながら料理を作るさまは
もはや嫌がらせでは無いかと思えるほどだ。

ヨーティア様が言っていた『乳ランク』によると
無乳→貧乳(品乳・賓乳)→普通→大きめ→巨乳→爆乳→魔乳 となるらしい。
私は・・・・貧乳にランクされている・・・
私は大人の体とは決して言えない。ネリシアやオルファには勝ってるもののヒミカと同じくらいの・・・

はっ!?殺気!!
「ヘリオン・・・」
ぽん、と肩をたたかれる。後ろをゆっくりとゆっくりと振り向く。
そこにはヒミカさんが・・・ほほえみを浮かべていた。しかし、雰囲気は笑っていない。肩に置かれた手が異常に熱い。
ヒートフロアハンド?フィン○ーフレ○ボムズでもぶっ放しそうな手の熱さだ・・・
「何か今、失礼なこと考えなかったかしら?」
失礼ってか・・・事実なんだもの。
「い・・・いえ!別に!!」
「そう・・・ならいいのよ」
そういってヒミカさんは立ち去っていった。
言葉を間違っていたら殺されるかもしれない。気をつけねば・・・
母性を体現するハリオン。幼児体系を体現するヘリオン・・・
(つД`)泣いていい?ユートさまぁ・・・
・・・また殺気!?
しかもさっきよりよほど強い殺気・・・!
いや・・・これは殺気と言うより・・・狩るものと狩られるものの雰囲気。
どこかでハンターが私を狙っている!
左右を見渡し気配を探る。しかし、敵の姿は見当たらない。壁に背を着け刀に手を伸ばす。
最速の抜刀術でどこから襲われても対処できるように・・・
ぽたっ
上から何かが降ってきた。粘性を帯びた液体が。
私が首を上げたとき、ありえない光景が広がっていた

「フシュルルルルル・・・・」
天井に張り付き、舌を伸ばして口の周りを嘗め回し、醜悪な姿をしたモンスター・・・もといコウインさま
「俺は・・・俺は・・・大好きだああああ!!!!」
「ひぃぃいいいいい!!!」
私めがけて降ってくる巨体。私は無我夢中で刀を抜いた。
「はあああああ!天壌無窮の太刀!!!!」
ザザザザザザザザザザザン!
恐怖のあまり限界を突破し、あやうくエターナル化しそうになっちゃった・・・
「俺の防御回数を上回るとは・・・さすがだぜヘリオンちゃん・・・」
コウイン様はそういって意識を失った。
「な・・・なんかあったの!?」
キョウコ様が騒ぎを聞きつけてやってきた。そして状況を見て一瞬で何があったのかを理解し・・・
「ははは・・・ごめんねヘリオン、後始末は私がやっとくから」
いつのまにかやってきたキョウコ様がその意識なき体を引きずっていった。

さて、危機は去った。ハリオンさんと私のことを考えることに集中しないと・・・
・・・あ、庭から雷の音とタンパク質が焼けるにおいがする・・・けど、まぁいっか。