雨のせいで視界が悪い。 
明け方から降り続いている雨はますます雨脚を強めていた。 
《求め》を握る手が水滴で滑る。 
俺は無骨な剣を握りなおすと辺りを見回した。 
仲間のじゃない神剣の気配が2つ、いや3つか。 
「みんな敵神剣の気配が近い!注意してくれ!」 
俺の声に近くにいたセリアが頷く。 
「敵の事なら任せて。勝算があるわ」 
自信満々に微笑むセリア。 
おぉ、何だか頼もしい感じがするぞ。 
「アセリア!ネリー!シアー!」 
「・・・ん」 
「おっまたせー!」 
「おまたせ~」 
セリアの呼びかけにどこからともなく現れる青3スピ。 
・・・・・悪い予感がする。 
「まてまて、何をするつもりなんだ!?」 
俺の質問には誰も答えない。 
ただ、背中が自信満々に語る。任せろと。 
「いくわよ!」 
「おー!」 
「マナよ・・・我に従え」 
「氷となりて力を無にせしめよ~」 
膨大な氷のマナが膨れ上がり、放たれた。 
「「「「ダァイヤ○ンド!ダ○トー!!」」」」
『むぅ、まさかあの技は!』 
「知っているの?《月光》」 
『聞いた事がある。かつてハイペリアの少年漫g(ry』 
結果はラキオス軍の大勝利だった。 
大雨が雹へと変わり周辺を無差別に攻撃したのだから、敵もたまったものではなかっただろう。 
俺もとっさに味方へレジストをかけなかったらこちらも無傷では済まなかったに違いない。 
なんて恐ろしい技だ。 
ダ○ヤモンド○スト・・・。 
後日談 
青4スピがエスペリアにこってり怒られたのは言うまでもない。 
「うぅ~、怒られちゃったよ~」 
「・・・広範囲すぎた。失敗」 
「おかしいなー?第2詰所の前でやった時は目の前しか凍らなかったのに」 
「今度練習してみましょ。指向性を持たせれば強力な技になるわ」 
訓練所の天井がぶち抜けたのも言うまでもない。