枕のファー子

春は、あけぼの。
やうやう白くなりゆく意識はすこしぼやけて、
紫だちたる剣の細く煌きたる。

夏は、夜。
月のころはさらなり。
闇もなほ。敵味方飛びちがいたる、また、ただ一つ二つなど、
にはかに撃ちこんでいくも、をかし。アポⅡなどの降るさへをかし。

秋は、ゆふぐれ。
夕日のさして、拠点のいと近うなりたるに、仲間のねどころへ行くとて、
三つ四つ、二つなど飛びいそぐさへ、あはれなり。
年少組などのつられたるが、いとちひさく見ゆる、いとをかし。
日入りはてて、剣の音、喘ぎのねなど、はたいふべきにあらず。

冬は、つとめて。
マナの降りたるは、いふべきにもあらず。ハイロゥの白きも、
またさらでもいと悲しきに、火など急ぎおこして、炭もて塗るも、いと哀し。
ひるになりて、ぬるくゆるびもてゆけば、火桶に映りしわが身も、
白きブラックスピリットがちになりて、わろし。


「お姉ちゃんが落としていった手帳なんだけど……どう思う?ユート」
「いや……どうって言われても」