シュンが『世界』となり、『求め』を砕かれた俺は力を失いしばらくの間眠っていた。
俺が起きたのはすでに帝国との戦いが見た目にはラキオスの完全勝利という形で終わり
国民の熱狂も少し冷めたあとだった。
しばらくは立つこともままならかたったが、どうも体を動かさないと落ち着かない。
第一詰め所を出て、陽だまりの木のところまで歩く。
一歩一歩、体に痛みが走る。
「ふぅ・・・・」
木にもたれかかり腰を下ろす。
暖かい日差し、世界は見た目には平和そのものだった。
しかしその中でエターナルの脅威が迫っている。
俺だけがもう戦う力を持たない。みなが戦うのを見ているしかない。
それが耐えられなかった。
「どうしたの?ユート様、つらそうな顔してるよ」
「・・・ネリー」
ネリーがいつの間にかしゃがみこんで俺の顔を覗き込んでいた。
神剣がないと気配を察知することも出ない。
「ユート様、一緒に遊ばない?トキミ様がハイペリアの遊びを教えてくれたんだよ♪」
ネリーはいつもの調子で、いつもの明るさで、俺を誘ってくれる。
それが今の俺にはとても嬉しかった。
エスペリアもレスティーナも、あのヨーティアですらどことなく、俺に気を使っているのが
ありありとわかっていた。
だからこそ、こうやって昔と変わらず普通に接してくるネリーの言葉が身にしみる。
「ハイペリアの遊びかぁ・・・何を教えてもらったんだ?」
「うんとねぇ、オハジキっていうものをもらったんだ」
「オハジキかぁ、昔は佳織も持ってたなぁ」
「オハジキを打って当てて、押し出したら勝ちなんだよね」
「まぁ他にも色々と遊び方はあるけどな」
「それじゃユート様、一緒にやろー。みんなあっちで待ってるよ」
「あぁ、そうだな・・・一緒にやろうか」
ネリーの小さな手を借りて立ち上がる。
なんとなくネリーから力をもらったような感じがした。
「あっ、ユート様!お体は大丈夫なんですか!」
「大丈夫~?」
「ふん、ニムとお姉ちゃんが行った時には寝てたくせに・・・」
第二詰め所の庭、そこには年少組みが勢ぞろいしていた。
「それじゃ、最初はユート様が鬼ね!」
「へ、鬼?」
そういうとみな、ポケットからオハジキを取り出す。
それは黒くって、重厚で・・・って
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〈。ニ___/
ネリー!それおハジキやないか!
何故か大阪弁になってしまった。
「それじゃいくよ!ユート様!」
いつの間にか四方をオハジキを持ったネリー・シアー・ニム・ヘリオンに囲まれていた。
やばい、これはやばい。
・・・いや、いくらなんでもこれは水鉄砲とか、おもちゃだろう?
ドキューン!
ニムが撃鉄を引くとその銃口から出てきた何かは俺の顔の横数センチを飛び詰め所の壁にめり込んだ。
マジもんじゃねぇか・・・
「あーあ、はずしちゃった。なんで避けるのよ」
避けるのよ、じゃねぇよ。逃げ場もないじゃねぇか。
神剣もないから防御フィールド張ることもできない
「それじゃみんな、一斉に!」
ヘリオンがさけぶ。
みんな殺す気満々ですね。
「うおおおおお!燃えろ!俺の中の何かぁぁぁぁぁぁああああ!!!!」
ドキュンドキュンドキュンドキュン!
「はぁはぁ・・・」
なんとかすべての銃弾を避けることが出来た。
神剣を失ったとしても身に着けた反射神経。これは失われていなかった。
た・・・助かった・・・
けどもう一度来たら確実に死ぬ!
「も・・・もうやめよう!俺はまだ体がちゃんと動かないんだ!」
「えー、もっと遊びたかったのにぃ」
「仕方ないですよ、ユート様ちゃんと休んでくださいね」
た・・・助かった。
これでもう大丈夫・・・
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト!
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
「うぞぉおおおおおおおおお!!!!!」
~fin~