御伽噺で、キレイゴトの先で~永遠神剣総進撃~

ずんっじゃ~ん、ずんっじゃ~ん、ずんっじゃ~ん、ずんじゃっじゃっじゃ~ん♪

                 エトランジェQ

どんっ、じゃじゃ~んっ♪

                 エトランジェユート
                 妄想特撮シリーズ

テーマ曲:エトランジェユートのうた (歌・倉橋時深 コーラス・マロリガン稲妻部隊)

高嶺悠人は、不思議な空間で横たわっていた。

身体が、動かない…力が、少しも入らない…どうして。
俺は、学校帰りに光陰や今日子たちと共に神社へ行って。
そこで佳織に会って、そしてあの巫女さんにも会って。
突然、光に包まれて…それから…それから?

「聞コエルカ、地球人ヨ」

突然、頭の中に聞いたことのないトーンの声が響いて悠人は身を固くしてしまう。
 -お前は、誰だ?
「某M78星雲ノ宇宙人ダ」
 -マジですか。
「私ハ怪獣墓場ニ水月ノ双剣めだりおヲ送ル途中…ウッカリ地球ニ落ッコトシテシマッタ。 
 慌テテ拾オウト思ッテ追イカケタラ、君達ト一緒ニ突然ノ光ニ巻キ込マレテシマッタ」
 -なんか恐ろしくロクでもない事を言ってませんか、偉大なる光の巨人さん。
「ドウヤラ、我々ハ全クノ別世界ヘト飛バサレテシマッタラシイ。
 ソコデ自分の責任ハ棚ニ上ゲルトシテ、落トシタめだりおヲ探ス手伝イヲ頼ミタイ」
 -はい、もうわかりました。皆まで言わないでよろしいです。
 -要するに、俺があんたと一心同体になっ…

「イヤイヤ…ドウセナラ野郎ヨリ女ノ子ガイイ。ムシロ絶対ニソノ方ガイイ、ウン。
 トイウワケデ夏小鳥ヨ、私ノ命ヲ君ニアゲヨウ…私ト一心同体ニナルノダ」

その時初めて自分にしがみついてる物に気がついて、それに視線をやると。

「ゆ、悠人先輩っ!ここは何ですか?あれは何ですか?私たちどうなってるんですかっ!」

…しがみついていたのは、まごうことなき夏小鳥だった。
何処から見ても小鳥。小鳥と言っても鳥類じゃない、霊長類の夏小鳥。
サイズは色んな意味でSサイズ。武装はマシンガントーク。性格はヘンだが可愛いと思う。

「小鳥、なんだか凄くロクでもない予感がビンビンしますけどっ!
 でもでも、悠人先輩と一緒なら小鳥は何処までもついていっちゃいますぅ!」

小鳥はとっても楽しそうで、なおかつとっっても嬉しそうだ。
何故ここにいるのか激しく気にはなったが、そこは男らしくあえて気にしない事にした。
「んっと、小鳥…俺も何だかわからんが、ずっとついててやるからさ」 
とりあえずそう言ってみたら、小鳥は黄色い声を上げて嬉しそうに強くしがみついてきた。
そんな小鳥の顔を見ていたら、自慢じゃないが得意の保護欲が猛烈に湧き上がってきた。
ふらりと誘われるように小鳥の髪を優しく撫でたり、軽く頭をぽむぽむしたりしてみる。
「にゃ~…悠人先輩~、もっともっと~!」
ダメだ、耐えられない。俺の保護欲はレッドゾーンを黄金聖○士の速さで振り切っている。
耳を指でくすぐってみたり、のどを指で甘く掻いてみたり色々しまくってみる。
ますます、とろけた顔で更に強くしがみついてくる小鳥が猛烈に可愛い。

「小鳥って、こんなに可愛かったんだな…今まで忙しくて気がつかなかったよ」

つい、そんな言葉が出てしまう。
「ああっ悠人先輩っ!やっと小鳥の魅力に気づいてくれましたか!?メロメロですかっ!?」
ものすっごく嬉しそうで幸せそうな小鳥に、つい笑って微笑んでしまう。
「きゃー、きゃーっ!やったやったやったー、悠人先輩ゲットーっ!」
ああ、そんなに激しく胸にすりよられると保護欲が宇宙的規模で危険領域に。

「仲イイナ…ウラヤマシイ」

その声で、今まで完全に無視してしまっていた宇宙人の存在を思い出す二人。
「ごめん、話の途中で存在を忘れちまったっ」
慌てて謝ると、宇宙人は心なしかちょっと寂しそうに俯いてしまった。
「トリアエズ、私モ一応ハ正義ノ味方ナノデ二人ノ仲を裂クヨウナ真似ハシタクナイ。
 マア、ソモソモ二人ノ間ニハ入ル隙間ハナサソウダガ」
そこで、よせばいいのに俺はいらん事を口走ってしまうわけで。
「でも、落っことした何とかを放っておくわけにもいかないんだろ」
そう言ってしまい、慌てて自分の口を塞ぐ悠人。
「ウム、のるまモアルガ何ヨリ君タチノ星ガ滅ンデシマウ恐レガアル」
あ、一応ちゃんと自分はそーゆー使命を果たす役目って自覚はあるんだ。

「それなら、宇宙人さんの命を二つにわけてウ○トラリングで男女がった…むぐっ」

史上最悪に余計な入れ知恵しようとしやがる小鳥の口を手でふさぐが時すでに遅し。
「…言ワレテミレバ、ソノ手ガアッタカ!」
嬉々として宇宙人が手を振りかざすと、悠人と小鳥の手にそれぞれ指輪が出現する。

「セッカクダカラ、婚約指輪ばーじょんニシテミタ」

なんてこったい、完璧に婚約指輪デザインだし二人の名前まで刻印されてる。
「デハ、二人トモ一緒ニ宇宙ノ平和ト私ノのるまノタメニ頑張ロウ!」
悠人が抵抗を試みようとするも空しく、宇宙人は一瞬で二人と同化してしまった。

後世において、ガロ・リキュアの歴史書にはこう記されている。
後に永遠戦争と呼ばれる戦乱において、ラキオスはレスティーナのもと大陸統一を果たす。
戦場には、二人の男女のエトランジェが合体変身する事で出現する光の巨人が常にいた。
光の巨人に対抗できる戦力はロウエターナルを除いて存在せず、ラキオスは無敵を誇った。
ロウエターナルを倒し完全に平和を取り戻した後、光の巨人は空の彼方へ飛び去った。
余談として、エトランジェ・ユートとエトランジェ・コトリは結婚し幸せに暮らしたという。


終(…かどうかは、ちょっと怪しいかもしれない)