とある黒スピの一日

 朝。
 今日は戦闘訓練があります。
 ハリオンさん、ナナルゥさんと一緒のチームになりました。
 日頃の修行の成果が出せればいいな、と思います。

 昼。
 相手の殆どは、ナナルゥさんの容赦無い先制攻撃イグニッションで蹴散らされていました。
 ナナルゥさんはさすがだと思いました。
 ハリオンさんは、立ったまま寝ていました。
 ハリオンさんもさすがだと思いました。
 途中、ユート様が訓練状況を見に来て下さいました。
 良い所をなかなか見せるに見せられず、一度だけ私の出ていく機会があったのですが、つまずいて転んで恥をかいただけでした。
 ユート様にばっちり見られてしまいました。はぅ。

 夕方。
 訓練が終わり、お風呂に入りました。
 訓練の課題内容や、居残り状況も異なるので、自然とチーム毎にお風呂に入る事になります。
 今日一番の敗北感がそこにはありました。
 胸は、お湯に浮くのです。

 夜の屋台。
「ごくっ、ごくっ……ぷはぁっ」
「お嬢ちゃん、いい飲みっぷりだねぇ」
「馬鹿、煽るんじゃねぇよ」
「ぐすっ。おじざん。もう一杯下ざい」
「……嬢ちゃん。もうその辺でやめときな。体に毒だぜ」
「もう一杯。もう一杯だけでいいでずがら。ぐすっ」
「ちっ、しょうがねぇな。これで最後にしとけよ」
「ずびばぜん~」
「ったく。明日腹壊してもしらねぇぞ」
 ごくごくと、ミルクをあおるヘリオンでした。
 こうしてラキオスの夜は更けていくのです。

 おしまい。