悠人の朝のまどろみは、幼い悲鳴に破られた。 
 感情の炸裂。この世の終わりの様な叫び声。 
「痛ーーーーっ!! 痛だだだだだだ!! 痛い痛い!! ユート様、痛いーーーーーーーっ!!」 
 何事だ!? と起きかけ、下半身を襲う猛烈な快感に気付く。 
「な……ななな……!?」 
 開けた目に飛び込んできたのはネリーの裸体。 
 つるでぺたなその光景は、ソ○倫に喧嘩でも売っているのかと思える程の犯罪的絶景である。 
 慌てて下に目を向ければ、快楽の源である自分の♂は視界に入らない。 
 それもそのはず、ネリーの♀にみっちりと飲み込まれてしまっている。 
 悠人、瞬時に覚醒。 
「痛だだだだだだ!! おっきくなった!! おっきくなってるーーーーーーーー!!」 
 耳の奥には、 
「わ……すごい……ユート様のこんななんだ……。 
 これを……本で見たのだと……こう、すると……うわぁっ!? ほ、ホントにおっきくなるんだ……。 
 おっきいし、あったかいし……うわぁ、なんかすごい脈うってる……。 
 こんなにおっきなの、ホントにネリーの中に入るのかな……。 
 でも、シアーのマンガだと、これ入れてたし……。 
(※シアーの名誉の為に付け加えますが、一般向けの少女漫画です。 
 ですが、成人向けでも無いのに18禁もびっくりな程えっちい漫画って、けっこうあると思いませんか?) 
 ネ、ネリーは、くーるな女だから平気だもん!! 
 だいじょうぶ、だいじょうぶ……。 
 よ……よーし、これを、こう……うわぁ!? 今、びくって動いた!? 
 う、うわぁ、ぴくぴくしてるよぉ……。 
 ……うぅ……やっぱりちょっと怖いかも……。 
 で、でもでも、ネリーはくーるな女なんだから……! 
 一気に入れちゃえば、きっと平気だよね……。 
 いち、にの…………えいっ!!」 
 というネリーの声が残っているような気もするが、既に状況は夢と現実の境を探っている段階では無い。 
 思い切りの良さはさすがネリーというべきか、本当に一気に腰を落とし込んでしまった様で、悠人の♂はネリーの♀に、ぶっすりと突き刺さっており、押し込んでいる感触すらある。 
 ネリーはあまりの痛さに腰が抜けたか身体が強張ったか、泣き喚きながらも腰を持ち上げる事も出来無いで悠人の上に乗っかったままだ。 
 要するに、ネリーの全体重をかけて、ぶっすり差し込まれたままというワケだ。 
「もうダメ、死んじゃう!! ユート様、何とかしてー!!」 
 もうダメになりそうなのは俺の方だ、などと言ってる余裕も無い。 
 悠人も健康な若い男子。 
 しかも暫くご無沙汰で、夢精してもおかしく無い状態、つまりは装填完了な状態だった。 
 ネリーの♀はきゅうきゅうときつく悠人の♂を締め付け続けている。 
 加え、ネリーが痛みに体を強張らせると♀もそれに合わせて、きゅっと締まり、悠人の♂に刺激を与える。 
 更には、それがネリーに新たな痛みを与え、また体を強張らせ、♀は○○○で×××。 
 悠人の♂は、ぎゅっぎゅ、ぎゅっぎゅと間断無く刺激を与えられ、もう△△△が□□□で◎◎◎。 
 この問答無用のキモチヨサは、悠人の趣味がどうこうとか、ロリがどうこうという以前の問題だ。 
「ユート様、ちっちゃくして!! もうダメ、裂けちゃう!! 
 そんなに押し込まれたらお腹がつぶれて、中身がでちゃうーーーー!!」 
 中身が出ちゃうのは俺の方だ、などと言ってる余裕も全然無い。 
 悠人の♂が大き過ぎるという事は無い。その筈だ。 
 単純にネリーの身体が小さすぎるのだ。 
 18歳以上とはいえ、ファンタズマゴリアと地球とでは一年にかかる日数が……いや、考えまい。 
 自らの首を絞める必要は無い。 
 とはいえ、自らの首は絞めずとも、悠人の♂はネリーの♀に締め付けられたままだ。 
 ネリーの♀はきつく、優しく、ゆるゆると、きゅうきゅうと、温かくうねり、包み込み、悠人の♂を締め付ける。 
 限界ギリギリの思考の中で、悠人は自らに問いかける。 
 どうする!? どうなる!? 
 ここは一度、快感から気を逸らすべく、別の事を考えねば!! 
 そうだ、こういう時は光陰の事を考えるんだ!! 
 そうすれば、気も収まる筈だ!! 
 我ながら名案と、悠人は脳内に光陰を思い描く。 
 瞬間、待ってましたとばかりに脳内に光陰登場。 
 脳内光陰は、滂沱の涙を流しながら、悠人の肩に手を回してきた。 
『そうかそうか、やっぱり悠人もそういう趣味だったんだな。心の友よ。 
 ネリーちゃんを奪われたのは悔しいが、悔しいがッ!!』 
 脳内光陰、マジ泣きだ!! 
 つーか、一緒にするな!! 心の友じゃねーっ!! 
『自分に嘘つかなくていいんだぜ、悠人よ。安心しろ。俺はそれくらいで友人やめたりしないからよ』 
 友人やめてくれ、寧ろ生きる事自体やめてしまえ!! 
『見ろ、ネリーちゃんの慎ましい胸を!! これぞ少女の背伸びする初々しさ、無垢さの具現!! 
 それにその……はっきり口にするのもなんだが……見てみろよ、ネリーちゃんの♀をさ。 
 卑猥でいやらしい、だがその一方で純情且つ可憐。 
 女と少女の同居! 二律背反の共存!! 危ういバランスの上に成り立つ神々しさ!! 
 これを奇跡と言わずに何と言う!!!!』 
 黙れーーーーーーーー!!!! 
 悠人は頭を振って否定するが、一度現れた脳内光陰は消えやしない。 
 それどころか、頭を振った余波でネリーが更に痛がるばかり。 
「いたーーーっ!! ユート様、動かないで!! いたいいたいいたいいたいーーー!!」 
「ああああ、ごめんネリー!!」 
 もうどうしようも無い。 
「ネ、ネリー。ひとまず抜こう。 
 じゃないと、なんて言うか、色々と……ヤバイ」 
『ヌク?』 
 脳内光陰の戯言は、無視する。 
「えっ?」 
 悠人の切羽詰った声音に、はっとした様に、ネリーの表情が苦痛以外の色にゆがんだ。 
「ご、ごめんなさい、ユート様。私、ユート様に気持ち良くなってもらいたかったのに……ぐすっ。 
 ネリー、やっぱりダメだったね……ぐすっ」 
 目を潤ませたネリーを見て(泣いてたのはさっきからなのだが)、悠人に倒錯的な感情が湧き上がる。 
 健康的でみずみずしいネリーの裸体が、目の前に惜しげも無くさらけ出されている。 
 成熟しきっていないとはいえ、ネリーがまぎれも無い女である事は、合体してしまっている下半身がこの上無くはっきりと物語っている。 
 なんだかんだでネリーは可愛い。これは事実として動かしようが無い。否定し得ない事実なのだ。 
「ネリーは可愛いよ。凄く魅力的だって」 
「ほ、ホント? ユート様、ホントに?」 
「本当だって」 
「ユート様、ネリーの事、嫌いにならない? 
 子供だからダメだって、思わない?」 
「嫌いになんかならないって。ネリーはとっても可愛いよ」 
『これだ!! この背徳感が俺を獣にするんだ!!』 
 脳内光陰が叫ぶ。 
 もしやこの男が仏道に帰依しているのは、背徳という名の快楽を得る為ではあるまいな? 
 ……否定しきれない。 
『悠人、もう第六隔壁から第四隔壁までは突破されたぞ!! 
 いい傾向だ!! このまま堕ちてしまえ!! 俺もすぐにイク!!』 
 脳内光陰の言ってる事は良く解らないが、言わんとしている事は解る。 
 要するに、悠人の下半身の状況が非常にヤバイという事だ。 
 ありったけの理性と倫理観を動員し、噴出しそうなあれこれを押し止める。 
「き、今日のところは、ひとまず、抜こう。 
 ネリーを嫌いになんかならないからさ。な?」 
「ゆ……ゆっくり、ね。痛くしないでね」 
 うるうると涙目で懇願してくるネリーに、またも倒錯的な感情が呼び起こされかけるが、 
「わ、解った。なるべくゆっくりするから」 
 『求め』の干渉を幾度も幾度もはねのけ続けてきた鋼の意志で、その感情を無理矢理に押さえ込む。 
 ゆっくりゆっくり、慎重に慎重に♂を引き抜いていく。 
 ずりっ。 
「いだだだだだ!!」 
 ほんの少し、悠人の♂が引き抜かれる。 
 それに伴い、内側に巻き込まれていたネリーの♀が引っ張り出され、余計に淫猥な光景になった。 
 真っ赤に充血し、実際に鮮血も染み出し、絡んでいる。 
「いだだ、痛い痛い!! ユート様、これ以上おっきくしないで!! びくびく動かさないでーーーーーーーー!!」 
 ネリーの♀は悠人の♂に密着し、きつくきつく締め付け続けている。 
 故に、悠人の♂が動けば、ネリーの♀も引っ張られ、引きつれ、傷口は広がってしまう。 
 引きつれるのも限界の♀内部を擦られるのは、今のネリーにとって痛み以外の何物でも無い。 
 一方、悠人。 
 ♂の裏側の敏感なところを、きつく、柔らかく、激しく、思い切り刺激され、今までよりももう一段ヤバイ階段を上った。 
『第三隔壁、第二隔壁、崩壊!! 最終隔壁も限界間近!! いいぞ、この調子だ!!』 
 脳内光陰が叫ぶ。 
 これはもう一気に引き抜いてしまった方が良いかも知れない。 
 と言うよりも、これ以上は何もかもがもう持たない。 
「ネ、ネリー、一気に抜くから、ちょっとだけ我慢な」 
 不安げな表情でネリーが言う。「一気に抜くの?」 
 不安げな表情で脳内光陰も言う。『一気にヌクの?』 
「違う!!」 
「ひうっ!?」 
「ああ、ネリーごめん!! ネリーに言ったんじゃ無いんだ。 
 俺も混乱してて……ああいやまずはそれよりも、ちょっとだけ我慢してくれるか? 
 やっぱりずっとこのまんまじゃやばいから、一気に引き抜いちゃおうと思うんだ」 
「う、うう~~~~~。わかったよ、ユート様。でもなるべく優しくね」 
「うん、解ってる」 
『優しくしてね?』 
 オマエは黙ってろ、って言うか、頼むから静かにしていて下さいお願いします。と、自ら生み出してしまった脳内光陰に、頭の中で頭を下げる。 
 やはりこの男が出てくると、変な方向に収拾が付かなくなる。 
 光陰をこの場面で考え出してしまったのは、正に不覚だった。悠人は今更ながらにそう後悔する。 
 悠人、ネリーの体を支えるべく、腋の下に手を添える。 
「うひゃイダダダ!! ユート様、くすぐったイダダダ!! 痛い痛い!!」 
 本当にもう、どうしようもない。 
 不可抗力とはいえ、ネリーが動くせいでネリーは痛いし、悠人はいよいよヤバイ。 
『最終防衛ライン、突破!!』 
 最早、脳内光陰の相手をしている余裕など微塵も無い。 
 最後の気力と根性で、ネリーの体を持ち上げたその時、 
「ユート様!! どうしました!?」 
 ばたん!! とエスペリアが戸を開けて部屋に飛び込んで来た。 
 絶妙のタイミング。そうとしか言い様が無い。 
「え?!」 
 ネリーの体は元からすべすべな上、汗だくで滑りやすくなっていた。 
 で、ネリーの体を支え、持ち上げていた悠人の手が、動揺に滑った。 
 と言う事はつまり、ネリーの体を支えるものは何も無くなるワケで。 
 重力というものは、万物に働くワケで。 
ずんっ!!
根元までぶっすり。
「ひぐっ!?」 
 ネリー、意表を突かれ、最奥も突かれ、あまりの痛さにしゃくりあげるように息を呑む。 
 同時に♀もぎゅうっと収縮。 
 悠人、限界突破。 
『エネルギー充填120%!!』 
『発射!!』 
あ~~~~~~ーーーーーー…………。
 ネリーが第二詰め所にいない事に気付いて探しに来たハリオンが、泣き喚くネリーの♀にアースプライヤーをかける。 
 ハリオンのにっこりとした笑みはいつもと同じく悠人にも向けられ、悠人は居た堪れない気分になった。 
 ハリオンは濡れタオルでネリーの♀を優しく拭いてやる。 
「ユート様、たくさん出しましたね~」 
「……」 
「ユート様、すごく気持ち良かったんでしょうね~。よかったですね~」 
 ハリオンの言葉に、ネリーは顔を上げた。 
「そ、そうなの?」 
「はい~。ね、ユート様~」 
「そうなの? ユート様。気持ち良かった? ネリー、ユート様を気持ち良くできた?」 
 上目遣いで、潤んだ不安げな瞳で、ネリーは悠人を見る。 
「あ、う、うん。凄く、良かった」 
 悠人の言葉に、ネリーは向日葵の様ににぱっと笑う。もういつも通りの笑顔。 
 しかし、その無垢さは、時に残酷だ。 
 ハリオンの隣では、ハリオンと一緒にネリーを探しに来たセリアが、侮蔑の眼差しを悠人に投げかけている。 
 悠人の隣では、エスペリアが、表情の読めない笑みをたたえている。 
 セリアは、無邪気にバイバーイと手を振るネリーの首根っこをひっ掴んで引き摺って行く。 
 口を利くのも汚らわしいといった感じで悠人を一瞥してから。悠人は死にたくなった。 
 汗と涙。悠人の精液と、ネリーの破瓜の血。 
 それに加え、とどめの一突きによりなされてしまったネリーのお漏らし。 
 それらで汚れたシーツを纏めながら、エスペリアはにっこりと微笑んだ。 
「こんな間違いを二度となされませんよう、私が身を挺してでも悠人様を正しき道へと戻して差し上げますね」 
「ひいっ!?」 
 悠人は何らの反論も出来なかったが、そのエスペリアの笑みを前にしていたという事を鑑みれば、彼をヘタレと呼ぶ事など出来はすまい。 
 悠人は一日かけて、しっかりとしぼられ、というか搾り取られた。 
 それはもう。赤玉が出なかったのが奇跡と思える程に。 
 さて、ネリーはと言えば、今回ばかりは多少なりとも反省しただろうという周囲の予想をあっさりと裏切り、 
「今朝はネリーが、ユート様をくーるな女のミリョクで満足させちゃったんだから、今度はユート様がネリーを気持ち良くする番ーーー!!」 
 と、干からびかけた悠人に夜這いをかけたという。 
「ユート様には、ネリーを大人の女にしたセキニンがあるんだからねーーー」 
 だそうだ。 
 おまけに「シアーもー」と言う声も付いてきたとか。 
 死を前に、生殖本能は活性化するとはいうが……。 
 ……天国は地獄に近いのかも知れない。