夏空

照り付けるのは灼けるような太陽。
どこまでも抜けるような群青の空。
そして雲一つ無い空にたなびく二筋の飛行機雲。

ああ、夏だなあ……。

…………
……

「ちょっと待て!」
俺は寝転がった草むらからガバッと体を起こして叫び声を上げた。なんだよ飛行機雲ってのは。
でも確かに、大空に浮かんで今しも伸び続けてたりする。あれ、でも先端になんか……?

「こらぁぁーーーーーー」
あ、セリア。
第二詰所の方角からフルスロットル戦闘速度でハイロゥ開いてかっ飛んで来るな。暑いのに。

「ネリー! シアー! 発煙筒で遊ぶんじゃないのぉぉっっ!!」

……納得。いつだったかの作戦で使った奴の余りね。
ま、理由が分かったからには元通り木陰で一休み一休み。
携帯断熱革袋の冷たいお茶でも飲んで。
幼児の落書きみたいな状態になった青いキャンバスの下、午後の一睡。いわゆる昼寝。