お洗濯

ニムと一緒に盥を持ち出してお洗濯。今は二人だけだから仮面は付けていないので、風が心地よい。
いつも通りため息とともにめんどくさいと言うニムを、戦うだけが仕事じゃないとたしなめる。
わかってるけど。口とは裏腹にめんどくさいというオーラを纏うニムへ、洗濯の楽しさを問いかけてみた。
少し間をあけ、あんまり、とだけ。
…、共感はできるけどあまりしたくない、といった様子…かしら。
それは感じ取れたがもう少し素直になってほしいので、苦笑しながら諫める。
と、その時
横から声が聞こえた。
そちらを向くとユート様が。えっと…、ニムは判るのに私はわからない?お会いしたことはあったはず…
あ………仮面してない
思い出した途端鼓動が早くなり、何も考えられなくなった頭に避難警告が鳴り響く。
それに従い普段は欠かさない礼も忘れて、顔を隠しながら全力ダッシュ。後ろからニムの声が聞こえるけど今は気にしていられない。置き去りにして走る、走る。
自室へ駆け込んで荒い息を整え、治まってきたので先刻のことを振り返ってみると。
洗濯中、素顔が見られる、逃げ出す。
一連の動作、特に顔を見られたことに羞恥を感じて、耐えきれず枕に顔を埋めたとき、ニムが部屋に飛び込んできた。
あ、…………ごめんなさいニム
説教されました。

後で洗濯物が置きっぱなしなことに気が付き、取りに行く。見てみると洗濯が済んでいた。
ニムは追っ掛けてきたし、………誰が?
ニムに心当たりを聞くと、ユートのせいだからユートに。
……………はぅ