インタビュー 別

――あいつか?
ああ 知ってる
話せば長い
そう 古い話だ

知ってるか? エトランジェは3つに分けられる
剣に飲まれるやつ
血を流して何かを護るやつ
己の役割に徹するやつ
この3つだ

あいつは――
確かに エトランジェだった

彼は 『因果』と呼ばれたエトランジェ
私が追う ある『戦士』の同僚

10年前 この大陸を巻き込んだ戦争ががあった
『永遠戦争』
その大地に足跡を刻み
歴史から消えた 戦士がいた

畏怖と敬意の狭間で生きる
一人のエトランジェ

私は彼を追っている

そして――
『因果』の言葉で 物語の幕は上がる


あれは 太陽が照りつける暑い日だった

戦うたび あいつの強さが目についた
ひたすらに強い
瞬時に戦場を見極め
戦況を変える
戦いの申し子
英雄視されるのも納得だ
並んで戦うこっちは苦労するがな

気がつけば
いろんな人があいつを見てた
街を歩く度 挨拶が増えてたなぁ
人間の兵士も 街の人までもだ
皆あいつの姿を目に焼き付けようとしていた
俺も――
もう少し見ていたかった

『因果』
本名ミドリ・コウイン
旧マロリガン共和国スピリット隊隊長にして
ガロ・リキュア統一王国スピリット隊現隊長

そう 『彼』の敵であり 相棒であった男

俺は死ぬはずだった
でも死ななかった
痛む体を引きずってたどり着いたのは
暴走寸前の変換施設だった
変わっちまった大将
それがなんだか 悲しくてしょうがなかった
でもそこでマナ消失を食い止めようとしているやつらがいた
俺はあいつらに助けられたんだ

この大地に神剣なんて必要ないのかもしれない
でも手放すだけで変わるんだろうか
世界を変えるのは 気高い心なんだろうな
抗い続ければいつか
神剣の運命から逃れられるかもしれない
でもそれができないのも人だ

俺はまだ 戦場にいる
旧ソーン・リームの近くだ
確かめたいんだ 神剣の意味を
それを振るって守った 人々の意思を
ここに答えなどないのかもしれない
でも 探したいんだ
そう 今はそう思う
それでいいと思う

この映像はあいつも見るのか?
会ったら伝えてくれ

よう相棒 まだ生きてるか
ありがとう 戦友
またな


『求めのユート』
永遠戦争を駆け抜け
畏怖と敬意の狭間で生きた戦士

『彼』はほんの数年の間だけ
この大地に存在していた
その後の消息は不明
ついにその人間性までは
迫ることができなかった

ただ彼のことを話すとき
皆 嬉しそうな顔をしていた

それが答えなのかもしれない