求める『強さ』

ふと気になって、パパに聞いてみた。
「パパ。ママとパパってどっちが強いの?」
パパはすこし考えてから、こまった顔でこう答えた。
「ママのほうが強いな。昔ほどではないけど、やっぱり差はあると思う。たまに手を
合わせる度に、もっと頑張らなくちゃと思うよ」

つぎに、ママに聞いてみた。
「ママってパパより強いの?」
お母さんは、やさしく笑ってこう答えた。
「違う。ユートは私より強い。ユートは私と、私の大切なものたちを救ってくれた
。私もいつも思う。ユートみたいに強くなりたいと」

どちらも言ってる事がちがう。どちらもじぶんじゃないほうを『強い』と言ってた。

こんがらがったから、トキミおb・・・トキミさんに聞いてみた。
「パパとママって、どっちが強いの?」
トキミさんは、とてもこまった顔をした。そして、こう答えた。
「強さの形とは、一つではないのですよ。剣を振る『強さ』。誰かを守る『強さ』。
一途に思い続ける『強さ』。それぞれ同じ言葉でありながらその意味は違っているの
です」
むずかしくてぜんぶはムリだけど、なんとなくわかった。

トキミさんのところからもどってきたら、パパとママが言ってくれた
「ユーフィ。強さっていうのは、人それぞれなんだ。俺には俺の、アセリアにはアセ
リアの願う『強さ』があるんだよ。もちろん、ユーフィにも」
「今はまだわからないと思う。見つけるのは凄く難しい。でも私の、ユートの、トキ
ミの、色々な人の強さを見て、自分の強さを見つければ良い」

・・・なんとなく、パパとママの言うことがわかったとおもう。
「だったら・・・」
やっぱり、ずっといっしょに居たいから。
「パパと、ママと、ずっといっしょに居られる『強さ』が欲しいっ」
パパとママは、やさしく笑って髪をくしゃくしゃしてくれた。


「ホントに平気か?無理しなくても・・・」
「ユート。ユーフィがやるって言ってる。応援しよう」
「う・・・はぁ。そうだな。気をつけて頑張って来いよ。ユーフィ」
「うんっ!それじゃ・・・行ってきます!」
「「行ってらっしゃい、ユーフィ」」
悠久のユーフォリア。初めての任務、頑張りますっ!