「はぁ・・・なんでこんなことに・・・」
「あはは。残念だったわね、ヘリオン。」
せっかく悠に告白しようとしたのにねぇ・・・
「皆で渡したんじゃ目立ちそうにないです・・・」
ヘリオンが溜息をつく。
「目立つ方法ね・・・」
相談されたこともあるしヘリオンのことは応援してあげたい。
でもスピリットは皆美人で個性的だからね。
目立つのは大変よね・・・
「私地味だから・・・小っちゃいし。クォーリンさんみたいにスタイルよくないし・・・」
「クォーリンはたしかにスタイルいいわね・・・背高いし。
こう・・・出るとこ出てて、ボン!キュ!ボン!みたいな。(おっさんくさいです)」
モデルみたいよねー。正直あやかりたいものだわ。
「でも・・・コウイン様は小さいほうがいいみたいだし・・・(ぼそっ)」
「ん?なんか言った?」
「いえ・・・そのキョーコ様の本命はコウイン様なんですよね?」
「え?えーと・・・そうなるのかな?一応・・・」
悠はともかく光陰は義理しか貰えそうにないし・・・
それに・・・やっぱり悠は私を友達としてしか見てないみたいだしね・・・
いいかげん私もちゃんと答えださないとね、光陰の為にも私の為にも。
「やっぱりライバルはキョーコ様ですね・・・」
私は改めて決意をする。
『空虚』から開放されたキョーコ様は気さくで優しい方だ。
コウイン様が惚れるのも正直・・・わかる。
でもやっぱり諦めらめられない。
私だって見た目は結構悪くないと思う。
その・・・コウイン様の趣味からはずれてるかもしれないけど。
でも、キョーコ様だって小っちゃくはないし・・・
それに信頼されてる自信はある。どちらかといえば好意を持ってもらってるはず。
勝機はゼロじゃないはずよね。
「はぁ、クォーリンさんはコウイン様が好きなんですか?」
「わ!!へ、ヘリオンさん!?」
っていうか、聞かれてた?
「大丈夫ですよー。私にしか聞こえてませんし。」
「・・・その、内緒ですよ?」
「わかってます。お互いがんばりましょうね。」
「そうですね。がんばりましょう。」
相手は違えど恋するもの同士。親近感がわきます。