ハイペリア式告白法

その5/今日子・ヘリオン・クォーリンの場合

「はぁ・・・なんでこんなことに・・・」
「あはは。残念だったわね、ヘリオン。」
せっかく悠に告白しようとしたのにねぇ・・・
「皆で渡したんじゃ目立ちそうにないです・・・」
ヘリオンが溜息をつく。
「目立つ方法ね・・・」
相談されたこともあるしヘリオンのことは応援してあげたい。
でもスピリットは皆美人で個性的だからね。
目立つのは大変よね・・・
「私地味だから・・・小っちゃいし。クォーリンさんみたいにスタイルよくないし・・・」
「クォーリンはたしかにスタイルいいわね・・・背高いし。
こう・・・出るとこ出てて、ボン!キュ!ボン!みたいな。(おっさんくさいです)」
モデルみたいよねー。正直あやかりたいものだわ。
「でも・・・コウイン様は小さいほうがいいみたいだし・・・(ぼそっ)」
「ん?なんか言った?」
「いえ・・・そのキョーコ様の本命はコウイン様なんですよね?」
「え?えーと・・・そうなるのかな?一応・・・」
悠はともかく光陰は義理しか貰えそうにないし・・・
それに・・・やっぱり悠は私を友達としてしか見てないみたいだしね・・・
いいかげん私もちゃんと答えださないとね、光陰の為にも私の為にも。

「やっぱりライバルはキョーコ様ですね・・・」
私は改めて決意をする。
『空虚』から開放されたキョーコ様は気さくで優しい方だ。
コウイン様が惚れるのも正直・・・わかる。
でもやっぱり諦めらめられない。
私だって見た目は結構悪くないと思う。
その・・・コウイン様の趣味からはずれてるかもしれないけど。
でも、キョーコ様だって小っちゃくはないし・・・
それに信頼されてる自信はある。どちらかといえば好意を持ってもらってるはず。
勝機はゼロじゃないはずよね。
「はぁ、クォーリンさんはコウイン様が好きなんですか?」
「わ!!へ、ヘリオンさん!?」
っていうか、聞かれてた?
「大丈夫ですよー。私にしか聞こえてませんし。」
「・・・その、内緒ですよ?」
「わかってます。お互いがんばりましょうね。」
「そうですね。がんばりましょう。」
相手は違えど恋するもの同士。親近感がわきます。