早速二人で新たな世界での任務に就く。
『破壊』がいるなら大丈夫だろうと言って、時深はさっさと別任務に行ってしまった。
しかも、判っているのは近い将来に事件が起こるというだけで、それが正確にいつになるのかはよく判らないのだという。
長いエターナルの時間の中では、数日数週間は平気で誤差範囲らしい。
ほんの数日前にエターナルになったばかりの俺達には、その感覚はまだ掴めない。
というか、エターナルが時間に適当というよりも、時深が適当なだけのような気もする。
だが、数日後(或いは数週間後)の事件よりも、たった今直面している問題は……。
「……やっぱり相部屋だな」
「……そう、ですね」
エターナルがこんなに金銭面で苦しいとは夢にも思わなかった。
俺達に与えられたのは安い旅館の一室。
「後は若い方同士でごゆっくり~。オホホホホ……」
と、邪悪な笑いを残して去っていった時深を思い出す。
本人は若いつもりの様だが、あのセリフはきっちりおばさんのものだ。自覚が無いのが余計に悲しい。
それにしても到着が夜だったとはいえ、既に布団まできっちり並べて敷いてあるのはどういう事だろう。
「あの……さ、ファーレーン。布団、離すか?」
「……」
「ファーレーン?」
ファーレーンは緊張した面持ちで部屋に入ると、きっちりと姿勢を正して正座し、顔を真っ赤に染めながら三つ指を突いて深々と頭を下げた。
「今の私の心はここにあります。不束者ですが、どうぞよろしくお願いします」