安息

Relative Topology-1

撃ち抜かれた肩から血が吹きだす。
しかし驚いた顔をしているのはむしろ撃った少女の方だった。

「あ…………、あ…………」

その怯え切った瞳は、既に恐怖というより恐慌の色が濃い。
自分自身に驚いているその様子は、神剣を持つその手がカタカタと震えている事でも判る。
神剣が刺さったまま、そっと少女を抱き締めた。
これ以上、怯えさせないように。そのココロを、壊さないように。

「あ……………………」

一瞬の驚き。そして小さなその両目からぶわっと涙が溢れ出す。
小さく呟かれるゴメンナサイの声。
私はそっと動く方の手で頭を撫ぜてあげた。


 ――――――もう大丈夫。わたしが守ってあげるから………


………それは、少しだけ昔に遠ざかった想い出。与えられた想い出。