無数の金色のマナが空に還る。 その幻想的な光景の中、中央に眩く光る白いハイロゥ。 それはあまりにも美しくて。 だから、気付かなかった。 光の中に存在する影の様な黒い翼を。 あまりにも自然だったから。 輝きの収束と共に、消えていたから。 だから、気付かなかった。 当たり前のように消えた、黒い影に。
――――擦り切れた記憶。遠い、幻想的だった光景。