安息

Finite Intersection Property-2

無数の金色のマナが空に還る。
その幻想的な光景の中、中央に眩く光る白いハイロゥ。
それはあまりにも美しくて。
だから、気付かなかった。
光の中に存在する影の様な黒い翼を。
あまりにも自然だったから。
輝きの収束と共に、消えていたから。
だから、気付かなかった。
当たり前のように消えた、黒い影に。

 ――――擦り切れた記憶。遠い、幻想的だった光景。