安息

Lemma-3

頭の固い議会の連中の中で、俺達エトランジェを「人」として対等に扱ってくれたのは大将だけだった。
まるでモルモットかなにかの様に今日子が強制的に神剣を目覚めさせられて暴走した時、
何も出来なかった俺に『因果』を与えてくれ、さらに議会から庇ってくれた恩もある。
なによりその生き方の姿勢みたいなものにある意味魅かれてもいた。
大将は、死ぬ気だ。
…………悪いな今日子、それに……悠人。
俺は大将に付き合う。まぁロクな結果にはならないだろうがこれも運命ってやつかもな。
せいぜいクールな二枚目の脇役ってやつを演じさせてもらうぜ……大将がそうしようとしてるように、な。

「最後の戦いだ。俺はこの日のために生きてきた。」
「…………止めても……無駄だよな?」
「……すまんな。俺の意志は誰のものでもない。誰にも……止めることはできんよ。」

扉の向こうに消えるクェド・ギンを光陰は静かに見送った。
これが彼を見る最後だろうと思いながら。