安息

Ⅶ-1

光陰の姿を確認したとたん、『求め』が激しく反応した。

『因果』…………『因果』を壊せ!契約者よ、『因果』を壊すのだ!

頭で鳴り響く『求め』の憎悪を全力で抑え込もうとする。
その様子を見ていた光陰は楽しそうにニヤリと笑い、悠人に話しかけた。
「相変わらずその剣とは仲良くやってるようだな…………。」

苦しんでいる悠人を庇うようにナナルゥ、ヒミカ、ハリオンが前に出ようとする。
しかし少し落ち着いた悠人が手を広げてそれを制した。

「ゴメン。でも、これは俺とアイツの問題だ。二人だけにしてくれ。」
「ユートさま…………判りました。」
何事かを悟ったナナルゥが代表してそう答える。ヒミカとハリオンもしぶしぶながら従った。
アセリアは有り難い事に、何も映さない瞳をしたままただ黙って立っている。
見届けた悠人は振り向いて再び光陰と対峙した。

「……光陰!今、俺達が戦う意味が、どこにある!もうすぐ……もうすぐマナ消失でみんな吹き飛ぶぞ!!」

悠人がそう問いかけた瞬間。
光陰の周囲から巨大なオーラフォトンが立ち上がった。