StoryTellerHimika

epilogue

目を閉じて最後の贈り物のシーンを思い浮かべながらお話を語っていたヒミカが、語り終えて目を開けたときには三人は眠っていた。
三人とも手を軽く握って胸に当てているのを見て、微笑を浮かべると、ヒミカは三人をそれぞれの部屋へそっと運ぶ。
三人を送り届けるとヒミカは自分の部屋へ入り、ほどなく出て来てもう一度三人の部屋を巡った。
そして、物語りで渇いた喉を潤すべくお茶を飲もうと食堂へ向かう途中で、ふと立ち止まって振り返ると一言呟く。
「今宵、良い夢を…」

目覚めた時、彼女たちはその手に見つけることだろう…
ささやかで、だけどあたたかな、魔法を―――