寸劇@第二詰所

aside

 このあと、第二詰所で“エンゲキ”と「額にキス」が流行。「額にキス」は三日程で流行は沈静化したが、それ自体は親愛・友愛を示す行為として定着した。
“エンゲキ”熱は冷めやらず、時間をみつけては何かしらの演目が行われた。時には深夜に行われることもあり、ひっそりと集まってくるその様はさながら怪しい秘密結社のようであったともいう。
無論、最人気演目は『陥落したサモドア王城にて、その一場面』で、ヒミカとハリオンの暗躍によって悠人が参加させられることもあった。悠人が出演する回には、熾烈なアセリア役争いが展開されたとも聞く。
そのあまりの熱狂振りに悠人が「演劇は月に一度まで」という第二詰所規則を定めるも、一同の猛烈な反対にあい「週に一度」に妥協せざるを得なかった。
 後年、第二詰所の面々は劇団を結成し、大陸中の人気を博することになるのだが、それはまた、別のお話―――