§~聖ヨト暦331年スリハの月緑ふたつの日~§
いつも見ていた。いつも見守っていた。
だから知っている。あの人の弱さを。あの人の苦しみを。
いつも遠くにいた。いつも近くにいた。
だから判っている。あの人の強さを。あの人の姿勢を。立ち向かう姿を。
支えたいと思った。ふと祈った想い。
支え合いたいと願った。きっと叶わない望み。
今、自分の心がやっと判った。ずっと寄り添える心が欲しかった。
姉でもなく、戦士でもなく……そしてスピリットでもなく。ただ単に、――女として。