胡蝶

Yearning Ⅱ-1

 ――――『ファンタズマゴリア』?

 ――――そう、今回の脚本のタイトルよ。ちょっと神秘的な響きがあるでしょ。

 ――――うーん。それで、一体どんな話? 学園祭の規模でちゃんと出来るの?

 ――――まあ、その辺は抜かりはないわよ。ファンタジーといっても舞台はこの世界と似たような文化にしてあるし。

 ――――へぇ。でも流石作家を目指してるだけはあるわね、こんなにすぐ出来るなんて正直思わなかった。

 ――――まあね。もっと褒めてもいいわよ。

 ――――調子に乗らない。見せてくれる?

 ――――はいはい。ほら、これ。どう? 力作なんだから。

 ――――ええと……ふんふん…………え? あ、あの、これ、ひょっとして。

 ――――せ、い、か、い ♪ これね、貴女をイメージして創ったものなんだよ。という訳で、ヒロイン役宜しく。

 ――――な!! ちょ、ちょっと待って聞いてないよそんなの………………